ブラッシングやシャンプーなど、何げないケアで髪は毎日抜けていますが、1日にどのくらいの抜け毛なら正常範囲なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
通常、1日の抜け毛は約50本から100本以内であたら、正常の範囲内と言われており、薄毛の心配はありませんが、あきらかに100本以上の髪が抜けている、また抜け毛は気にならないけれど髪自体が細くハリが無くなってきたと感じる場合、薄毛が進行しているかもしれない為、注意が必要です。
髪は抜けるものという事は分かっていますが、少し触っただけでも抜けてしまう髪もあれば、引っ張ってもなかなか抜けない髪があるのは、どのような違いがあるのかというとヘアサイクル、または毛周期と言われる髪が生え変わる周期が、毛根の組織に備わっているからで、ヘアサイクルは成長期・退行期・休止期と大きく分けて3つの段階に分かれており、それぞれの段階で髪や毛根の状態に違いがあります。
成長期は「成長」と名付けられている通り、髪が成長する段階の事で毛根部分にある、毛母細胞の分裂が活発となり、どんどん髪が伸び続けている状態となっていて、髪全体の約80%から90%は成長期の段階にある点が特徴で、しっかりとした毛根なので、少々引っ張ったくらいでは成長期にある髪は抜けず、男性・女性、また個人差はあるものの、平均して約2年から5年程度、成長期が続きます。
退行期は細胞分裂の働きが徐々に弱まり、髪の成長がストップする段階の事で、生えている髪の約1%程が退行期の状態にあると考えられており、この段階に入ってから約2週間から3週程度で、毛根の細胞は完全に活動を停止し、次の段階「休止期」へと移行するのです。
髪を成長させる為に活発に働いていた、毛根組織や毛母細胞が完全に活動を停止する「休止期」に入ると、新しい髪を作り出す為に、徐々に上へと髪が上がって最終的には自然に抜けるようになっており、休止期の髪はブラッシングやシャンプーなど、ちょっとした刺激でも簡単に抜けてしまいます。
このように、髪はどんどん成長する成長期・活動が弱まる退行期・そして完全に活動が止まり髪の寿命がやってくる休止期と、3つのサイクルが繰り返し行われる事で、生えたり抜けたりを繰り返しているのですが、何らかの原因によりヘアサイクルに乱れが生じると薄毛が進行してしまう恐れがあると考えられています。
男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」が、髪を作る毛母細胞の働きを弱めてしまうAGA「男性型脱毛症」や、女性に起こる「びまん性脱毛症といった、脱毛症はヘアサイクル異常によって起こりやすい症状です。
通常、髪の成長は約2年から5年程度と続くのですが、男性型脱毛症やびまん性脱毛症に陥ると、約半年から1年程度でまだ成長段階にある髪も抜けてしまい、どんどん薄毛が進行してしまうのです。
髪が抜けてしまうという以外にも、未熟な成長途中にある髪が抜けてしまう事から、全体的に髪が細くハリが無くなってしまう、産毛のような髪が増えてしまうという傾向にあり、ヘアサイクル異常によって抜けてしまった髪は、髪自体が短い、毛根が委縮している、また毛先に向かって髪が細くなっているケースも少なくありません。
健康な髪、自然な抜け毛というのは髪の根本から毛先までの太さは、ほとんど変わらず、毛根もマッチのように丸くなっているという特徴がありますので、抜け毛が増えた・頭皮が薄くなったように感じるという場合、まず抜け毛をチェックしてヘアサイクル異常で抜けた髪かどうか調べてみましょう。
髪が抜けるメカニズムや、健康な髪のチェック法などを知っておけば、もし抜け毛が増えたという時も自分である程度、調べる事が可能です。