“毛はウイルスや細菌といった外敵の侵入阻止や体温の保温、日光や紫外線から肌を守る役割などの機能を果たすと同時に外的環境にさらされることによって日々ダメージを受け続けています。そのため古い毛は汚れがたくさん付着して不衛生な状態にあり毎日次から次へと新しい毛が作られては古い毛は抜けていくというサイクルを繰り返しすことで健康維持に関与しています。
脱毛は、毎日人間の身体の至る所で起こっている自然現象でありまして、健康であれば正常に毛の生えかわりのサイクルが機能していますが、どのような部分が毛を作り出しているのでしょうか。自らの身体の基本的なことである毛が健康な生えかわりを継続していくにはどういったことが維持されて、どの部分を健康にしていなければならないのかを認知しておくことが必要です。
まず毛が生えてくるメカニズムは、毛穴の奥に毛乳頭という部分が存在し、その周りに毛母細胞があり、そこが活性化することで毛が作られるという仕組みですが、毛が伸びる成長期、成長が止まる退行く期、毛が抜ける休止期の3段階が成長サイクルとして日々繰り返されています。脱毛のメカニズムとしては退行期で毛は既に毛根から離れ、休止期に毛母細胞が再び毛を作り出す準備に入るためにの活動を停止するからであり、再び毛を生やすに不可欠なことが毛母細胞の活性化であり、それは頭皮の毛細血管から毛乳頭に酸素や栄養素を十分に送られることで起こり、細胞分裂がたくさん行われることで毛が作られます。毛乳頭に与える栄養素の中にはビタミンも含まれていますが、たくさん摂取したほうが良いビタミンと過剰摂取は避けなければならないビタミンとがあり、単にビタミンなら何でも良いという考えを改めて正しい知識を知っておく必要が大事なことであります。
ビオチン、ビタミンB2・B6はビタミンの中でも水溶性ビタミンのグループであり、その効果はビオチンは毛細血管を太くし血流アップに働き、B2・B6はタンパク質から髪の毛を作り出す機能を促進さる働きがあり、また水溶性のグループのものは過剰摂取しても尿に溶けて排出させるので摂りすぎを気にする必要はなく、逆に毎日摂取しなければ短い間で不足してしまうので注意しなければなしません。
さらにもう一つ髪にとってよいビタミンがあり、それはビタミンEでこの働きは、老化を促進する脂質類を破壊することと血管の健康状態を維持するとともに血行を促進する働きがあります。しかしこのビタミンは水溶性ではなく脂溶性のグループのものであるので尿で排出はされないことから過剰摂取にならないように注意が必要なビタミンであります。
逆に脱毛を引き起こしてしまう注意すべきビタミンがビタミンAで、過剰摂取により細い髪、弱い髪になってしまうことが理由で、最終的に髪の寿命が短くなることや異常脱毛が発生する原因でもあるからです。このビタミンは脂溶性であるので尿に溶けることによる排出はされないことに注意しなければなりませんが、かと言って全く取らなければ頭皮の乾燥を引き起こしてしまいます。
毛の生え変わりは人間が必ず行う生命活動の一つであり、そのためにはタンパク質が欠かせませんが、さらに重要な成分が先ほど説明したビタミンであり、毛の伸長に関するものや頭皮に関わるもの、栄養を運ぶ通路である血管に関わるものなど様々で、ひとつ不足してしまうだけで簡単に成長サイクルが変わってしまうほどビタミン不足は深刻でいかに重要なものであるか理解できると同時にタンパク質などのメインの成分と同時にそれ以外の栄養素がそれぞれ機能することで正常な毛髪サイクルが成り立っていることがわかります。
薄毛のメカニズムを知って改善する
“男性なら早い人で思春期の頃から、女性なら更年期の頃から薄毛に悩む人が少なくありません。男性の薄毛の多くが男性型脱毛症「AGA」と言って男性ホルモンによって起こる症状で、テストステロンという男性ホルモンが前頭部や頭頂部位に多く存在する5αリダクターゼという物質によってジヒドロテストステロンというホルモンに変えられ、そのホルモンが毛母細胞に入りこむことによって毛母細胞の働きが抑制されるため毛を生えさせ成長させることができなくなるのです。
毛母細胞がしっかり働かなくなるとせっかく生えてきた毛も十分に成長することができず、本来なら2年から6年もある毛髪の成長期がわずか6カ月から1年という短い周期で終わってしまうため、男性型脱毛症で抜ける毛は短くて細いという特徴もあります。
このようなメカニズムで男性型脱毛症の症状が起こってくるのですが、実は女性にも男性型脱毛症があるのです。女性の男性型脱毛症は「FAGA」と言われていますが、「FAGAとは女性が「AGA」と同じようなメカニズムで薄毛になるということですが、それは女性にも男性ホルモンが存在するからです。それでも女性にはエストロゲンなどの女性ホルモンが分泌されていて、エストロゲンは毛髪を育てる働きがあるので、エストロゲンの分泌が活発なときにはテストステロンの分泌が抑えられているのです。しかしやがて女性も更年期を迎えエストロゲンの分泌が少なくなるとテストステロンが優位に働いてしまうため「AGA」の症状が現れてくるということです。
ただ女性も男性も脱毛=AGAではないのです。よく薄毛は遺伝といわれていますが、遺伝といっても親子で同じようにテストステロンの分泌量が多いということもありますが、生活習慣にもあり、食生活で必要な栄養がしっか摂れていなかったり、脂肪分や糖分の多い食ばかりをしていたり、睡眠時間が短かったり、あまり運動をしなかったり、喫煙や飲酒量が多いなどの生活習慣が血流を悪くし、頭皮にまでしっかりと栄養がいきわたらないということが原因で髪の毛のサイクルが狂い薄毛になるということもあります。
また髪のケアがきちんとできなかったり、女性なら髪の毛を結ぶ習慣によって頭皮が傷んだり、パーマやカラーリングの液剤などで頭皮がダメージを受けるなどの生活習慣の乱れや髪や頭皮に負担をかけていたことも原因になるので、そのようなホルモン以外の脱毛が原因の時にはAGAの治療法では改善しないこともあるため、薄毛が気になりだして来たら早めにAGAの専門医を受診して原因を探り、その原因に合った治療法を指導してもらうことが改善への早道となります。
テストステロンが原因のAGAなら、日本皮膚科学会が一番推奨する血管拡張薬である「ミノキシジル外用薬」と前立腺治療に用いられテストステロンを抑制することができる「フィナステリド内服薬」が効果的で医師からもその二つの薬を処方してもらえ、それらを服用したり頭皮に付けることを続けることによってだんだん効果も表れてくるので根気強く治療を進めてくことが大切なことです。
そして生活習慣の乱れやシャンプーの仕方などが原因でAGAということでなければ、医師の判断を仰ぎながら、食生活などに気を付けたり育毛剤などを使用して改善していく方法をとるようにします。何をするにしても原因が早く、はっきりすれば治療法や対処法が分かり、あまり自分の症状や原因に対して効果がない対策を続けて時間とお金の無駄になることを防ぐことができ、AGAにしてもほかの原因にしても、髪の毛のために生活習慣の乱れを正すように心がければ髪の毛だけでなく、血流がよくなることで身体も健康になり、生き生きとした毎日が送れるようになります。